夢はいつかは醒めるけど、はかなく切ない夢の時を生きて行こう


おぼろげなるもの

2010年01月03日 15:17

新年は、粉雪が舞う年明けとなった。
いつもはばらばらの家族が全員そろうのは、唯一正月だけ。
何も言ってこなかった東京の二男も、元日の夜に突然帰ってきた。
新幹線が取れなかったので、元日になってしまったようだ。
元日から勤務だった妻も夜には帰ってきて、家族全員で新年を祝った。
特別何もいいことはないし、多くを望めば足りないことばかりだ。
それでも家族全員がそろって新年を迎えることができること、もしかしたらそれは奇跡なのかもしれない。
今年も大きな幸せなどいらないから、つつがなく日常が過ぎていけばいいと思う。

東京の二男は、今年は就職するつもりなのか仕事を探しているという。
ただこの不景気の中、職種が限られるのではたして自分を活かせる仕事に就けるか・・・。
高校の美術科で3年、2浪の末入った芸大に4年。大学院の2年さらに一年残って、ずっと自分の夢のために頑張ってきた。それだけでも私にはできないことだ。
だからこそ今まで応援してきたし、これからもできれば自分の夢が活かせる仕事に就いてほしいと思う。そして単なる趣味の世界で終わってほしくはない。それがお金につながってもそうでなくても。それは私にできなかった、夢の実現を託しているのかもしれない。

芸術などという捉えどころのないおぼろげな世界に身を置くことは、傍から考えるほど楽なことではないだろう。当然将来の不安もあるだろう。毎日あてのない日々の焦燥感に、潰れそうになることもあるに違いない。
けれど人生は、「おぼろげなるもの」そのものかもしれない。誰だって何の約束も保証もない未来のために、一日一日を生きているのだろう。
それを支えるのは、やはり「夢」や「希望」や「信念」しかないような気がする。

夢を諦めないでほしい。希望を失くさないでほしい。そして信念を貫きとうしてほしい。

この一年が、私たちにとってそんな一年になることを祈った。

 

—————

戻る