夢はいつかは醒めるけど、はかなく切ない夢の時を生きて行こう


人はたくさんの後悔を胸に生きていく

2009年03月10日 14:32

なんとなく見ていたテレビで、古いミステリードラマの再放送をやっていた。
既に亡くなった男優が出ていたので、かなり前のものだろう。
ミステリーの部分は、特別どうということはなく、すぐに犯人の予想はついた。
それでも最後まで見てしまったのは、ストーリーが認知症を扱ったものだったからだ。
認知症や寝たきりの患者を抱える家族の悲惨な日常が、胸に迫ってきた。
ドラマがとてもよかったのは、命の尊さや人間の尊厳を大声で叫ぶのではなくて、淡々と一つの日常として捉えていたところだった。

テレビを見ながら、自分の両親のことを思ってしまった。
あのときこうすればよかった。あのときあんなことを言わなければよかった。
今ならわかってやれるのに。今ならもっとやさしく接してやれるのに。今なら・・・。
そんなどうしようもない後悔が、次々と溢れて来た。
両親はどんな思いで逝ったのだろう。
大した楽しみもなく、働きづめで苦労の連続だった人生の最期を、もっと穏やかに過ごさせてやる方法はなかったのだろうか。
もし人生が二度あれば、人生がやり直せるものなら・・・。
けれど人生は二度ないし、やり直すことはできない。
だとしたら、人はたくさんの後悔を胸に生きていくしかないのだろうか。

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