海にガラス瓶を流すが如く
2009年10月27日 15:54
どこへ流れるのかも
誰に届くのかも
わからずにそれでも
手紙をガラス瓶に詰めて
波間に投げ入れる
風船の端に手紙を結わえて
空へと放つ
たとえ永遠に戻ることのない
時のしじまに飲み込まれていくのだとしても
祈りにも似たせつない思いを
この広い空のどこかにいる
まだ見も知らぬ君へと送る
流れていく時間に流されるだけの日々に
それでも流されないでいられるだろうか
そんな少年のような真っ直ぐな
真っ白な思いを胸に
宛名のない手紙を
今日もガラス瓶に詰める
風船に結わえる
—————
戻る